懐古的カメラ指南書
人は物事を覚える時、自分で教則本などを読んだり、先人にレッスンを受けたりするだろう。今ではYouTubeなどの動画で、大抵の趣味に関してはカバーしているので、「今さら本なんて買わないよ」という人も多かろう。
とは言え自分は昭和の人間、カメラに関する教則本で、今でも大切にしているものがある。
『THE LENS WORK』(1979年キヤノン販売株式会社発行)で、おそらく非売品だと思う。これは、前回の記事、「一眼レフとの出会い②CanonA1」において、ヨドバシ本店でカメラを購入した時にいただいたものだ。(コレ、調べてみたら中古市場で出回っているので、案外販売してたのかも…)
基本的には当時のキヤノンのNewFDレンズ群の紹介冊子なのであるが、この内容の充実ぶりはさすがキヤノンと言わざるを得ない。
コンテンツとしては、
◎一眼レフボディ・レンズ概論
◎FDレンズ44本の焦点距離別解説
◎ターゲット(テーマ)ごとのレンズ選択
◎レンズ購入プラン
◎光学理論・メンテナンスetc.
その中でも圧巻なのは、FDレンズ44本の焦点距離別解説である。
FDレンズの各焦点距離ごとに見開きの2ページを割いている。
もちろんそのFDレンズ自体の解説もあるんだが、どちらかというと、「その長さ(焦点距離)ならば、こうやって使えばこう表現できるよ。」という写真指導の色が強い。
例えば…50mmは「前景と遠景を組み込んで絞り込んで広角的に使える。」とか、「前後のボケが出るように被写体を配置し、深度を浅くすると望遠的に使える。」とかの解説とともに作例が出ている。
昨今のカメラ性能の向上とRAW現像のおかげで、ピントや露出、色味などは何とかなるが、構図やレンズワークだけは撮る人のセンスがもろに出てしまうからなあ。
懐古趣味とは思うんだが、夜な夜なこの本を手に取っては復習してしまううんですよ。
この『指南書』は大切にしていきます。
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